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Makkyのあしたっていまさ!

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てきとーにまったり。主にSTGや東方を中心としたゲーム系雑記だよ。

東方妖怪図鑑:水橋パルスィ ~ 橋姫

水橋 パルスィ ミズハシパルスィ
種族:橋姫



嫉妬心を操る程度の能力
 テーマ曲    「緑眼のジェラシー」
 二つ名     「地殻の下の嫉妬心」
 初登場作品  「東方地霊殿(ステージ2ボス)」


尖った耳と緑色の眼が特徴的な金髪の少女。地上と地下を結ぶ穴の番人で、非常に嫉妬深い性格の持ち主。ある種、理不尽なまでに嫉妬狂いで、自分より幸福な者には勿論、不幸な相手にまでその標的とする。そのため、地上の人間である霊夢らに対して、ちょっかいを出してきた。
呪いで有名な、丑の刻参りは嫉妬心を集めるために彼女が開発したもの。これ自体には殆ど呪術効果が無く、むしろ行う人間の方が嫉妬に駆られて大きな負担を負うとされている。人を呪わば穴ふたつ。妬み、妬まれることを糧とする。

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※イラストははるかさんより拝借しております





東方妖怪図鑑:水橋パルスィ ~ 橋姫_d0284766_1382916.jpg


宇治の橋姫(うじのはしひめ)
橋姫は、橋にまつわる伝承に現れる女性(鬼女であったり女神である)。宇治の橋姫とも。多様な伝承と側面を持ち、主なものに源綱が一条戻り橋で遭遇し斬った「嫉妬の鬼」、宇治橋そばの橋姫神社に祭られている「橋の守り神」、の2つがある。嫉妬に狂う鬼としての橋姫が現れるのは、『平家物語』の読み本系異本の『源平盛衰記』・『屋台本』などに収録されている「剣巻」で、橋姫の物語の多くの原型となっている。異本であるため、出版されている『平家物語全集』の類の多くには収録されていない。
とある公卿の娘が、深い妬みにとらわれ、貴船神社に7日間籠って「貴船大明神よ、私を生きながら鬼神に変えてください。妬ましい女を取り殺したいのです」と祈った。明神は哀れに思い「本当に鬼になりたければ、姿を変えて宇治川に21日間ひたれ」と告げた。女は都に帰ると、髪を5つに分け5本の角にし、顔には朱をさし体には丹を塗って全身を赤くし、鉄輪(てつわ、鉄の輪に三本脚が付いた台)を逆さに頭に載せ、3本の脚には松明を燃やし、さらに両端を燃やした松明を口にくわえ、計5つの火を灯した。夜が更けると大和大路を南へ走り、それを見た人はその鬼のような姿を見たショックで倒れて死んでしまった。そのようにして宇治川に21日間ひたると、貴船大明神の言ったとおり生きながら鬼になった。これが「宇治の橋姫」である。
橋姫は、妬んでいた女、その縁者、相手の男のほうの親類、しまいには誰彼かまわず、次々と殺した。男を殺すときは女の姿、女を殺すときは男の姿になって殺していった。京中の者が、これに畏れおののき、申の時(15~17時ごろ)を過ぎると家に人を入れることも外出することもなくなった。宇治川に架かる宇治橋の近くに橋姫神社がある。正式には、上流から遷祀されたとされる瀬織津媛(せおりつひめ)を奉っているが、『平家物語』などでの橋姫と同一視されている。源綱に討たれた後に橋の神になったという話もある。橋を守る女神として奉られているが、縁切りの神でもあり、悪縁を切るご利益がある。逆に、恋人同士や婚礼の儀で、神社の前を通ったり宇治橋を渡ったりするのはタブーであるとされる。


水橋
東京都にある橋、淀橋の旧称。姿不見橋(すがたみずはし)のことを指すか。花嫁がこの橋を渡ると行方不明になるという言い伝えがあり、嫉妬した橋姫に引きずり込まれるのではないだろうか。また水橋(すいきょう)=酔狂(すいきょう)と掛詞になっており、嫉妬に狂う鬼でもあるパルスィを体言しているかのよう。


ヤンデレ
「病み」と「デレ」の合成語であり、精神的に病んだ状態にありつつ他のキャラクターに愛情を表現する様子をいう。一方、狭義には、好意をもったキャラクター(「デレ」)が次第に精神的に病んだ状態になることをいう。デレは好意を持った相手にたいして極端に緊張、あからさまに照れたり甘えたりすることを指す。とはいっても、パルスィはヤンデレなわけではない。パルパルパルパル。


波斯人(はしひと)
ペルシャ人のこと。橋=はし=波斯。パルスィ(Parsee)はペルシャ人の設定。
イタリア語で「嫉妬」「ブラインド」の2つの意味を持つ=gelosia、同様にイタリア語で「ブラインド」「ペルシャ人の~」の2つの意味を持つ=pesianaから捩って。ベネチアの商人がペルシャからブラインドを持ってきたとき、「これは東洋では女を隠すために使われている」と伝えた。女の姿が見えなくなり男が嫉妬を起こすので、北イタリアではgelosia(嫉妬)と呼ばれるようになった。ゾロアスター教徒はイスラム教徒に迫害されインドに逃れたことから現地でゾロアスター教徒=ペルシャ人として、ゾロアスター教の共同体はパールスィーと呼ばれた。


服装
スカートの柄がトラス橋(トラスきょう)と呼ばれるトラス構造を使った橋と同じ。トラスは細長い部材を両端で三角形に繋いだ構造でありそれを繰り返して桁を構成する。トラス橋は桁橋の一種に分類される。パルスィは橋姫。また胴衣の上から上着を合わせるのはペルシャの伝統的な礼装とされる。


尖った耳
エルフ耳と呼ばれる。欧米での人外の耳の描かれかた。悪魔や妖精などの大半がそう描かれる。橋姫は元々は人間ではあるが、生きたまま妖怪に変化した鬼の種類に分類される。


嫉妬
自分と異なるものや、自分から見て良く見えるもの、自分が欲しい(欲しかった)ものなどを持っている相手を快く思わない感情。僻み(ひがみ)、妬み(ねたみ)、嫉み(そねみ)、やっかみ、ヤキモチ、動詞化して「妬(や)く」、などともいう。七つの大罪の内のひとつ。単純に妬みなどは「Envy」と表記されるが、男女間の愛憎について用いられる場合は、ある人の愛情が自分以外の誰かに向けられることを憎む感情を示すことを「jealousy(ジェラシー)」という。橋姫は嫉妬心から生まれた鬼。


七つの大罪
キリスト教の用語。七つの罪源とも呼ぶ。「罪」そのものというよりは、人間を罪に導く可能性があると(伝統的にキリスト教徒により)みなされてきた欲望や感情のことを指す。傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲の七つ。七つの大罪には悪魔との関連づけがなされており、嫉妬での対応悪魔は「レヴィアタン」と呼ばれる。キリスト教の本質的な部分と無関係だが、通俗的なグリモワールにおいて引用されることとなった。グリモワールに関しては「魔人アリス(アリス・マーガトロイド)」の項目にて参照。七つの大罪に関連する七大悪魔は以下の通り。

 傲慢:ルシファー(ルシフェル)
 嫉妬:レヴィアタン(リヴァイアサン)
 憤怒:サタン(ベリアル)
 怠惰:ベルフェゴール(アスタロト)
 強欲:マモン
 暴食:ベルゼブブ(ベールゼバブ)
 色欲:アスモデウス


※括弧内は別名、または別の悪魔。括弧外が通称的とされる。



レヴィアタン
語源は一説に「ねじれた」「渦を巻いた」という意味のヘブライ語liwjatanから。リヴァイアサンとも呼ばれ、、旧約聖書に登場する海の怪物として有名。海または水を司る者で外観も怪物とする。その一方で、一般的に想起されるような悪魔の外観を持つ場合もある。元のレヴィアタンが何物の攻撃も通さない様に、悪魔としてのレヴィアタンは、どんな悪魔祓いも通用しないとされている。レヴィアタンは大嘘つきで、人にとりつくこともでき、それを追い払うのは非常に難しいとされた。特に女性にとりつこうとする。橋姫はもともと宇治川に浸かったことで呪われた存在なため、水との関連性も高い。嫉妬は動物で表された場合はヘビとして描かれる。スペルカードにはまるで蛇のように這い回ってくる「グリーンアイドモンスター」がある。


グリーンアイドモンスター
緑眼の怪物という意味。緑色=嫉妬という表現は西欧で昔から広くあるもので、嫉妬や恐怖などで血の気が引いた状態を表している。シェークスピアの戯曲『オセロ』第3幕第3場で『お気をつけ下さい、将軍、嫉妬というものに。それは緑色の目をした怪物で、ひとの心をなぶりものにして、餌食にするのです(O, beware, my lord, of jealousy ! It is the green-ey'd monster which doth mock The meat it feeds on;)』という一句が元。


緑眼
ペルシャネコ毛色の一つである「チンチラ」は、エメラルドグリーンの目色をしている。性格はおっとりしているが、繊細な面もあるとされている。ペルシャと緑繋がり。


花咲爺、シロの灰
童話「花さか爺さん」から。
ある老夫婦が飼うシロという犬がここ掘れワンワンと鳴くので掘ってみると土の中から大判小判がザックザク。嫉妬した隣の老夫婦がシロを拉致して自分たちも見つけようとする。しかしゴミしか見つけないので怒ってシロを殺してしまう。飼い主の爺さんは死体を引き取ってシロのお墓を作りそこに木を植えた。数年後、夢の中にシロが現れて墓の木で木臼を作るように言った。その通りにしてみて木臼で餅を付くと、餅の中に大判小判がザックザク。嫉妬した隣の老夫婦が木臼を盗むが、餅からゴミが出るので燃やしてしまう。飼い主の爺さんが灰を引き取ってシロを偲んでいると、風が吹いて灰が桜の枯れ木に降りかかった。すると桜の花が次々と咲いた。このことで爺さんは評判になり殿様も見物に来て褒美を貰った。隣夫婦もその場に飛び入り参加して褒美を貰おうとしたが、灰が殿様に降りかかって厳しい処罰を受けたというお話。ちなみに童謡「花咲翁」では犬の名前はポチと表記されているが、本来、犬の名前は設定されていない。


舌切雀、大きな葛籠と小さな葛籠
童話「舌切り雀」から。
優しい翁が傷付いた雀を助けたが、洗濯糊を食べた雀に怒った婆が雀の舌を切ってしまう。翁は雀に謝ろうと思ったが、飛び去った雀の行方が分からないので探しに行く。竹林にある雀のお宿に辿り着いた翁は雀と再会。感謝の言葉とともに歓迎を受け、御土産に小さい籠と大きい籠どちらかを選ぶように言われる。翁が小さい籠を持って帰ると中には財宝が入っていた。その話を聞いて妬んだ婆も雀のお宿を訪ねたが、狙いはお土産。しかし雀には同じように選択するように言われた。欲ゆえに大きい籠を選び、帰る途中で開けると中には妖怪が入っていて婆は食われてしまったというお話。


丑の刻参り
丑の刻(午前1時から午前3時ごろ。一般的には夜中の2時)に神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を毎夜五寸釘で打ち込むという、日本に古来から伝わる呪術の一種である。有名な神社としては、京都府の貴船神社や岡山県の育霊神社などがある。丑の刻参りの方法は、江戸時代に完成した方法を基本的な部分では踏襲している。しかし細かい部分では、藁人形に呪いたい相手の体の一部(毛髪、血、皮膚など)や写真、名前を書いた紙を入れる必要があったり、丑の刻参りを行う期間に差があったり、打ち付けた藁人形を抜かれてはいけないと地方・伝わり方で違いがあり、呪うために自身が鬼になるのではなく、五寸釘を打った藁人形の部位に呪いをかけることができるという噂が広く知られるなど、現代では少し変化している。一般的な描写としては、白装束を身にまとい、顔に白粉を塗り、頭に五徳(金属製のものなら何でもいいという説もある)をかぶってそこにロウソクを立て、一本歯の下駄を履き、神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を毎夜五寸釘で打ち込むというものが用いられる。又、丑の刻参りの姿を見ると、丑の刻参り自身に呪いがかかってくるので、見た人も殺すという。丑の刻参りは古くからあるようで、鎌倉時代後期に書かれ、裏平家物語として知られる屋代本『平家物語』「剣之巻」に登場する。「長なる髪をば五つに分け、五つの角にぞ造りける。顔には朱を指し、身には丹を塗り、鉄輪を戴きて、三の足には松を燃し、続松を拵へて、両方に火をつけて、口にくはへつつ、夜更け人定まりて後、大和大路へ走り出て……」とある。「宇治の橋姫」と呼ばれる女性が、現在伝わる丑の刻参りと似た方法で、怨みをはらすため鬼になりたいと願をかけ、願いを成就させている。
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七日目
七日目の丑の刻参りを行った帰りに黒牛が現れるので、これを乗り越えると呪いが成功するといわれる。また、丑の刻参りの元になったと言われている宇治の橋姫の話でも、夫を奪われて恨みを抱いた橋姫が貴姫神社に七日間篭っていた(上記参照)。嫉妬は七つの大罪のひとつ。ホラー映画「リング」では呪いのビデオに感染した人間は七日間以内に他人にダビングしたビデオを見せないと貞子に呪い殺される。貞子は生まれた頃から忌み嫌われた能力を持ち、成長するにつれ世間から畏れられるようになる。恋人はもちろん、最愛の理解者であった父親にも見捨てられ殺されたことから全世界を妬むようになった。7という数字は神から見て完全を意味するもの。詳細は下記にて。


ジェラシーボンバー
嫉妬爆発。元ネタは格闘ゲーム「痛快GANGAN行進曲」に登場するキサラ・ウェストフィールドの必殺技からか。投げキッスを対戦相手に投げつけ、投げキッスのハートマークが相手に命中すると、キサラが恋人とキスをし、それを見た対戦相手がショックのあまりダメージを受ける(相手に命中したハートマークが爆発する)という技。ハート型の弾幕が名の通り爆発を起こす。「リア充爆発しろ」というネットスラングに由来。


怨み念法「積怨返し」
積怨(積もりに積もったうらみ)を返す(恨みを晴らすこと)こと。元ネタは漫画「魔太郎がくる!!」の主人公、浦見魔太郎が復讐に使う魔術「うらみ念法」からか。


地下666階
「666」は獣の数字ともいわれている。『新約聖書』の『ヨハネの黙示録』に記述されている。以下に引用すると、「ここに知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は666である(13章18節)」。映画「オーメン」でもこの「666」という数字は意味のあるものとして登場する。この物語は、ある外交官夫妻の子の誕生シーンから始まる。実の子が死産したため、夫妻は、教会のはからいで養子をもらいうける。その子はダミアンと名づけられたが、成長するにしたがい、周囲で不吉なことが起こりはじめる。その原因はダミアンにあり、ダミアンこそ聖書に予言された悪魔の子だと気づく者があらわれるが、次々と謎の死を遂げる・・・。主人公ダミアンは、6月6日6時に生まれ、その頭皮にもこの名が刻印されている。それでは、なぜ『666』が悪魔を意味するのか?というと『7』という数字は、神から見て『完全』を意味している。ところが『6』はその完全な数字にわずかに足らない。いわば『寸足らず』の数字となる。さらに、この『6』が3つも重なることは、はなはだしい不完全さを意味している。つまり、神の完全さに遠くおよばない、惨めな名前というわけである。地下666階に住まう、パルスィは元々地上にいた妖怪であるが地底に封印されて以来、完全な地底最下層にもいかず、地上にも戻らず、どっち着かずの場所でただ妬むだけの存在となった。
by makky_cys | 2013-06-03 01:39 | 東方

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