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Makkyのあしたっていまさ!

cysmakky.exblog.jp

てきとーにまったり。主にSTGや東方を中心としたゲーム系雑記だよ。

雅な時間 紅 Vol.12 (第22話「雲海」)

-雅と私、レトロスペクティブな時間- 第22回

Makkyです。よーぅ来たのう!ゲーメストォ!!
初見の方、詳細を知りたい方はコチラへどうぞ → http://cysmakky.exblog.jp/17382733

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レトロスペクティブ東方-雅-
 第22話「雲海」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm21064794


※動画のネタバレを多大に含みます。
下記をお読みになる前に是非動画をご鑑賞ください。
1部はこちらよりどうぞ。


今回も前回を受けてのネタバレ回となります。
1~21話までを予め視聴しておくことを推奨します。




あらすじ
スキマという「無」の雲海から解き放たれた霊夢と魔理沙。閉じ込められて果たしてどれくらいの時間が経過していたのであろうか。月明かりが二人を照らす。それは霊夢の心の蟠りをどこか晴らしていたかのようでもあり・・・。霊夢と魔理沙は紅魔館から史規を奪還し、その目的を果たすため飛び立つのであった。
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真実を知った史規に救いの手を差し伸べる咲夜。もともと自分を見つけさせるためにはじめたパチュリーによる手記という日課。その結末は自らの存在を否定しつつも、無慈悲に肯定させるものであった。自暴自棄に陥る史規をよそに咲夜は語りかける。上着のこと、そしてニクジャガのこと・・・。「前の外来人」と咲夜との思い出は、史規の想像を超えた壮絶なる「過去」が秘められていたのだった。
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咲夜の告白が符合するもの。それは新たに浮き彫りとなるもうひとつの真実。『苦しんでいたのは自分一人だけではなかった』。史規はそれを真摯に受け止め、咲夜との約束を交わす。

 -自分で終わりにさせる

全てを知った今、まさに「その時」がやってきたのだ。還す側、還さない側、そして還る身である自分自身それぞれの想いを胸に。役者は対等にして揃った。今再び「幻想抜け」の真偽を問うため、史規はただ一人、紅魔館の主の待つダンスホールへと向かい、その舞台への扉を開ける。それはまるで自分の「運命」を切り開くかのように。

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場所は移り、湖畔上空。すでに霊夢と魔理沙は紅魔館付近にまでやってきていた。魔理沙は前の侵入時に経験したパチュリーの結界のことを思い出す。紅魔館上空で飛べないのであれば、どう侵入するか。そんな他愛のない会話をよそに二人の前に現れたのは、月夜のシルエット-十六夜咲夜
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片や史規を救うため、片や史規を還すため。それぞれの想いは違えど、秘める決意は同じ。咲夜からは普段の「従者」としての立ち振る舞いはすでに無く、彼女もまた一個人として二人に対して本気で侵入させまいと自ら打って出る。「正しい」のはどちらか? それぞれの正義が衝突する。雌雄を決し、この雲海を晴らすのは果たして。

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紅に染まるダンスホールは、まるで礼拝堂のようで。しかし、救いを求める相手は神ではなく悪魔の娘。自らの審判を定めるべく、史規は紅魔館の主、レミリア・スカーレットと相まみえるのであった・・・。

雲海という名が指し示すとおり、霊夢と咲夜らとの衝突の場を象徴。そういった物理的な描写だけでなく、雲海(=心情)と比喩し心理的な描写としても描かれた。雲海の発生条件は、夜明けから今朝方までとされる。登場人物のそれぞれが雲のように霞がかった心情をはらしていく様は、その時間の有限さを表現しているかにも思える。「夜明け」を迎えるのは果たして誰か。「夜明け」の先にある「朝」の雲行きは曇ったままとなるのか、それとも陽が射し残された希望の光となりえるのか。


キャラクター&雅な考察
前回の真実を受け、より一層深い人間模様が描かれた。今回はキャラクター紹介を兼ねつつ、同時にそれぞれの考察を行っていく。

博麗霊夢
1部での彼女は霊夢本人の意志もあり、史規を「帰す」ため奮闘していた。この頃はどこか楽しげで自然体な印象を受けたが、真実の後「還す」ために今再び史規のもとへ向かう彼女の表情は以前にも増して、あまり笑顔が感じられないように思える。どちらかといえば使命感を優先しているかのようなそんな印象だ。紫から「どうするか決めたのね」とあるが、この何気ない表情の転化は霊夢本人の意思ではなく、「博麗の巫女」として史規奪還へと向かったものだとすれば。スキマで捕らわれている際も、魔理沙との会話もあまりなく、何か考えに耽っているシーンが多かったことから、そうした彼女なりの葛藤があったのではないかと推測する。「ちゃっちゃと~」というセリフは『さっさと片付ける』意味合いが込められており、私達の日常でも「仕事」や「作業」を終わらすときに良く使う言葉であることから今回の考察に至る。
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十六夜咲夜
史規自身が真実に辿りついたことで、彼女もまた新たな真実を吐露することとなった。その内容はあまりにも悲壮で凄絶なもの。史規に向けられた慈愛の笑顔の裏には、自らを救って欲しいというメッセージも込められていたのかもしれない。普段は「完全で瀟洒な従者」という身であるがゆえに咲夜本人の想いは二の次。従者という立場であったからこそ、これまでの件も仮初の形ながら耐え続けてくることができた。本音を建前で隠してきた彼女も、優しく接してくれた「史規」というかつての存在と今の史規とを照らし合わせ、己の本心をようやく打ち明けたのだと思う。「例外を除いて時間は有限」。彼女自身が発したこの言葉は、ほんの一時だけ、「従者という立場」である時間を捨て咲夜本人の意思で、霊夢らの前に立ちはだかった決意の表れであったのではないか。それだけ彼女の史規に対する「救うため」の覚悟は大きく、霊夢にとってみればアリス以上の苦戦を強いられることは必至か。
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特に霊夢と咲夜の各々の「感情」と「立場」は今回で逆転(霊夢は本音→役目、咲夜は役目→本音)しており、この皮肉な感情の衝突は否が応でも注目していきたい。


霧雨魔理沙
今回の異変においては、どちらかというと第三者的な立場のように思える。是非曲直庁らの会話から察するに、「還す側」、「還さない側」のどちらにも属さないイレギュラーな存在。自身も中立であるということはすでに史規に告げている。異変解決の先にある「善行」目当てでちょっかいを出してきた雰囲気があり、そういう点では霊夢や咲夜らとは幾分軽い。そのため彼女自身は情報(おそらく射命丸経由)から異変になろうとしていることまでは把握しているが、「真実」をおそらくまだ知らない気がする(スキマ解放の際に紫と霊夢がツーカーで話していたのもそのためか)。紅魔館侵入の際に、レミリア自らが追い出そうと出向いたり、紫がスキマで「回収」したのも意味があったとすれば、彼女の介入は本当に邪魔だったのだろう。それでも「霊夢のため」とあらば芯が通っており、「霊夢が史規を帰したい」という目的においてはわりと全力で行動する。楽観的に立ち振る舞っている中にも、信頼関係は大きいようだ。


史規
咲夜から告げられた真実により、前の外来人=自分自身という結論に至った。とはいえ、これは魂の輪廻の先に起きた現象であり、全く同一人物というわけでもない。これは双子やクローン人間が決して完全一致するわけではないのと同じ理屈(それぞれに別の魂⇔個が宿っていると考える)。どちらかといえば「かつての史規の生まれ変わり」といったほうがしっくりくるか。この繰り返し行われる習性は、サケの一生に非常に似通っており、卵から「孵り」、海へ出て、生まれた川へと「帰る」。なぜ生まれた川へと帰ってこれるのかは実際には立証されておらず、実際に孵ってから元いた川に帰って新たに産卵するに至るまでの可能性(絶対数)は極めて低く、近年では人の手によって介入を加えざるえないとまでされている。本作での幻想抜けにおいて「かえる」、「辿らされる」、「繰り返される」などのフレーズとにわかな符合と、成功するまでの困難さ、さらに「生命」というテーマで一致。
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ちなみに今更ながら気付いたのだが、第1話からずっと続いてきた作者コメント内に「主人公名の読みは『ふみのり』です」という訴えは、つまり「孵(ふ)が実る→孵実り→ふみのり」という掛詞になっていたのではないか。同様に「前の外来人」も同じ史規という名前であったことと、その彼が残した手記が今の史規へと渡ったことも理(ことわり)であったという連想から、「文(ふみ)の理(り)→ふみのり」ともとれる。作者がここまで意図していたかどうかは定かではないが、偶然にしてもやや出来すぎか?


レミリア・スカーレット
「踊りましょう? 大丈夫、食べたりしないから」

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「食べたりしない」と否定をしておきながら、11話で見せた「食べちゃうぞー」な印象とは全く逆な雰囲気を醸し出しており、畏怖すら感じる。前の外来人が悲惨にも妖怪に食べられる結末を迎えたことは当然彼女も知っていただろう。「帰りたい」と主張する史規に対して事あるごとに「外に出れば妖怪に食べられる」と警告してきた彼女の裏には、前回と同じ過ちを繰り返さないための誘導があったと考えられる。



次回、第23話「天覇」
封神斬
・・・ってね




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by makky_cys | 2013-06-12 21:35 | レトスペ雅