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Makkyのあしたっていまさ!

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てきとーにまったり。主にSTGや東方を中心としたゲーム系雑記だよ。

「白雪姫裁判」をミタ!

先日、フォロワーさんの舞台があるということで、彼の人とはじめて会う目的も兼ねて休日を取りました。私、もともと舞台観るのは好きなので両方楽しめるじゃないか、これは一石二鳥じゃん!などと楽天的思考に至っていたのは今の内に白状しておきますね。
さて、今回の舞台は「白雪姫裁判」。童話を元にそれを現代社会における裁判で「事件」として取り扱うというもの。あれ、何やら面白そうな設定じゃないか・・・。




概要(公演は終了しております)
http://studio-essence.net/report/no7_snow.html

舞台風景
http://studio-essence.net/report/no7.html






あらすじ
「白雪姫」と聞いて、アナタはどんな物語を連想するだろうか。ちょっと振り返ってみよう。

-ある国に自分こそが世界で一番美しいと信じていた王妃がいた。彼女が秘蔵する「魔法の鏡」たるものに、「世界で一番美しいのは王妃様です」と讃えられ、王妃は満足な日々を送っていた。

ところが白雪と名付けられた王妃の娘が7歳になったある日、魔法の鏡は「白雪が世界一位だ」と答えるのである。嫉妬に狂った王妃は猟師を呼び出すと、白雪を殺し、証拠として彼女の肝臓を取って帰ってくるよう命じる。しかし猟師は白雪を不憫がり、殺さずに森の中に置き去りにする。そして王妃へは証拠の品として、イノシシの肝臓をかわりに持ち帰る。王妃はその肝臓を白雪のものだと信じ、大喜びで塩茹にして食べる。

森に残された白雪は、7人の小人たちと出会い、賑やかで楽しくも静かに生活を共にするようになる。一方、白雪を始末したと思い込んでいた王妃はまだ白雪が生きている事を知り憤怒。王妃は物売りに化け、小人の留守を狙って腰紐を白雪に売りつける。そして腰紐を締めてあげる振りをして彼女を締め上げるのであった。

やがて帰ってきた小人達は、事切れている白雪に驚き、腰紐を切って息を吹き返させたのだ。王妃はまだ白雪が生きている事を露見し、今度は毒を仕込んだ櫛を作り、再度物売りに扮して白雪を訪ねる。白雪は頭に櫛を突き刺され倒れるが、またも小人たちに助けられる。

白雪はまたも生還したことを悟った王妃は、毒を仕込んだリンゴを造り、善良なリンゴ売りに扮して白雪を三度訪ねる。白雪は疑いも無くリンゴを齧り、そこで息絶える。やがて帰ってきた小人たちは白雪が本当に死んでしまったものとして悲しみに暮れ、遺体をガラスの棺に入れるのであった。そこにとある国の王子が通りかかり、永遠の眠りにつく白雪を一目見るなり、死体でもいいからと白雪をもらい受ける。

白雪を棺をかついでいた家来のひとりが木につまずき、棺が揺れた拍子に白雪は喉に詰まっていたリンゴのかけらを吐き出し、息を吹き返す。蘇生した白雪に王子は喜び、自分の国に連れ帰って王妃として迎える。そして白雪姫と王子の結婚披露宴の席、王妃は白雪抹殺の罪に問われ、真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ、死ぬまで踊らされるのであった。


っとまぁ、こんな感じだ。この物語から王妃=魔女(悪)、白雪姫=悲劇のヒロイン、王子=救世主(善)というイメージが非常に色濃い。今回の裁判では、物語の最後に悲壮な死を遂げた「王妃」にスポットを当て、彼女の弁護をはじめるところから幕は開ける。そして小さな矛盾から、新たな疑問が生まれ、そこを審議していくうちに驚くべき「真相」が浮き彫りになっていくのであった・・・。

童話でありながら作中では実際に起きた事件として捉えているため、根本的に着眼点が違うもので描かれる。そこにはファンタジーという概念はなく、「殺人事件」として物事をひとつずつ紐解いていく様は実に生々しい。舞台となった国の風潮、時代背景、殺人の動機、時代に噛み合わない矛盾・・・それらがひとつの線で繋がったとき、ひとつの仮説が生まれる。「魔女裁判」という隠されたテーマを軸に、我々は「傍聴席」にて真実を目の当たりにするのだ。

「善」とは何か。
「悪」とは何か。
その真偽を審議にて問う・・・。




登場人物
「白雪姫」の物語に沿った人物はそのままに、「裁判」という場にある役職らが揃う。我々観客も「裁判をみる傍聴席側」というエキストラとして仕立て上げる演出は開幕から趣向があって面白い。ちなみに「白雪姫」は初版本の設定を反映させているため、普段我々の知っているものとはやや趣が異なる。

白雪姫(マルガレータ・フォン・ハッツフェルト)
白雪姫を語る上では外せない姫君。巨乳。明るく健気な性格の持ち主で、人を疑うことを知らない。実の母である妃に「何度も殺されそうになった」ことから裁判においては被害者として証言台に立つ。物語の進行に伴い、真実が吐露されていき、その正体が明かされることとなる。

妃(カタリーナ・フォン・ハッツフェルト)
幾度に渡って白雪姫を殺害しようとした罪に問われ被告人として証言台に立たされる。非常に高貴な風格を持ち、その場のあらゆる全てを平伏す。自身も物語の結末で「死んでいる」ため、私こそが被害者だと訴え、無実を表明する。この舞台における真の主人公。

王子(ヨハン・ヴォルフガング・クナッパーツブッシュ)
検察側が用意した証人のひとり。白雪姫を愛しており、一途な想いを寄せている。だが「既に死んでいる」白雪を一度貰い受けたため、ネクロフィリア(死体愛好家)なのではないか?という性癖が公の場で暴露されてしまい、発狂する様子も。

裁判長
どこかすっとぼけた長身の男性。とにかくメンドクサイことはゴメンで、裁判長という立場であれ仕事をすっぽかそうとする。しかし、核心をつく指摘や物事を平等に見る眼を持っており、疑問においてはとことん究明していく姿勢を持つ。

検察官
所謂「できる女性」を形にしたかのような敏腕検事。たった一人で弁護側に立ち向かっており、妃の有罪を確固たるものであろうと奮闘する。基本的に感情を外に出さないポーカーフェイスで、弁論もとことん論理的で機械的。追い詰められるとその場の誰よりも激昂するなど、実は最も情に脆い性格の持ち主。口癖は「よしなに」。

弁護人1
検事と対を成す女性弁護士。出会い頭、口論に発展するなどドラマ「ショムニ」でみれた秘書課と庶務二課との抗争を彷彿とする。検事より知識は劣るが、真実を追究する姿勢は高く、諦めない不屈の精神を持つ。

弁護人2
1を補佐する新米弁護士。まだ経験が浅いため、ところどころ抜けているが持ち前のフットワークを活かした情報収集は長けており、ジェバンニ級。明らかに女性にしか見えないのだが男の娘。ありえない、何かの間違いではないのか。今度デートしてください。

召使
妃に仕えるメガネっ娘なメイド。弁護側の用意した証人で、オドオドした性格ながらも核心たる証言により場を一転させていく。

狩人
妃に命じられ白雪を殺そうとした一人。自分の善良な本心に打ち勝ち、白雪を逃がす。後に彼のとった「再現」が事件の矛盾を露見させていくこととなる。

7人の小人
諸事情により「裁判」には4人しか集うことができなかった。本作究極にして至高のモブキャラクター。ひとりひとりの本名がクッソ長く、その名前を口にするだけでも一苦労。アドリブの集合体でもあり、彼らは4人にしてひとつのカオスレギオンである。

出演キャラクターの色濃いことこのうえない。全員にしっかりと見せ場が用意されており、テンポのいい掛け合いは見ていて凄く楽しかった。作中のアイデアとして便宜上「役職」が名前となるが、本名も個別に設定されており、それを活かしたギミックが『昔の童話を2013年の現代裁判』で取り扱うことのギャップとシュールさを生み出していることに成功している。一見して無茶な名前も「本当にありそう」なのがまたニクい。舞台のイメージイラストは劇団員の一人が手がけているのだが、それにあった衣装合わせも特注で作ったと告げており、「キャラクター性」はますます強くなっている。

最高の見せ場は、クライマックスでの白雪姫の豹変ぶり。ゲーム「逆転裁判3」における美柳ちなみを彷彿するほどの迫力で息を呑む。冒頭では、その立ち振る舞いや言動から魔女と畏れられていた妃こそ、最も人間らしかったと思い知らされる。国を想うが故に、自らをヒールとして演じきった妃の決して報われない小さな嫉妬心は王女でありながら、一人の女性としてただひたすら黒く輝いていたのだ。



感想
結論からいってしまうとお世辞抜きで本当に面白かった。公演は2時間だったが、体感的にまだ50分くらいしか経ってないんじゃないか?というくらいにまるで疲れなく(笑い疲れたシーンはあったにせよ)集中できた。正直、観終わったあとにもう一度観たいと思ったくらいだ。先述のとおりキャラクター性が非常に際立っているため、状況や各々の心情がわかりやすく、それだけ感情移入もしやすくなっていた。あとから聞いた話だが、裁判長役の人は実際の裁判を数回傍聴しにいき、審判を下す身としてあまり顔に出さないことを研究していたり、妃役の人も髪の毛が全部地毛(桂でない)であったりと成りきり具合がハンパないのだ。そういった「仕込み」も含めて、舞台本番で実った功績は大きい。
舞台において重要視すべきは「進行」であり、実は「噛み」やセリフの間違いor忘れはあったとしても進行が止まらない限りは大した問題にはならない。その点においては劇団員全員がそれぞれがお互いをフォローしあっており、その姿からは絆を感じることができた。個人が抜きん出ているだけでなく、そういったチームバランスが優れていたとこも、みていてどこか安心感を抱くことができた。
この舞台は前半・後半に別れており、前半は物語の「起承転結」における「起~承」、裁判としての情報収集や矛盾となる部分の露出を主としていた。一方後半は「転~結」、矛盾の言及や真相への到達をノンストップで駆け巡りフィナーレを迎える。その幕間にアドリブ回を挟んでいるのだが、出演者ですら思いもよらぬアクシデントの連続に会場はスタッフ一同爆笑の渦に巻き込まれるも、後半がはじまればすぐに態勢を立て直しシリアスに再開していたのは流石といわざるを得ない。もっと書きたいことはあるけども、直接当人達に感想を述べたいと思っているので、次の機会があった際には飲みの席にも同調したいくらいだ(笑)

遅くなりましたが、この場で改めて挨拶を言わせてください。
凄絶にお疲れ様でした!
そしてありがとうございました!!

12月も観にいきます ヾ(:3ノシヾ)ノシ



PS
いつかまた「裁判」シリーズをやることがあったら是非「竹取物語」を題材に脚本を書いて欲しいなー

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by makky_cys | 2013-08-03 14:39 | 雑記 | Comments(2)
Commented by わんこ at 2013-08-04 00:51 x
おおう こりわ設定だけでも面白そうじゃないですかー
Commented by アイハラマキ at 2013-08-04 20:45 x
わんわんお>
マジ面白かったです。これは実際の光景を目の当たりにしない限り当日の感動は得られないですが、アドレス先の舞台風景写真で想像してみてください(笑)