ブログトップ

Makkyのあしたっていまさ!

cysmakky.exblog.jp

てきとーにまったり。主にSTGや東方を中心としたゲーム系雑記だよ。

雅な時間 白 Vol.6 (第32話「破戒」)

-雅と私、レトロスペクティブな時間- 第33回

Makkyです。随分遅れてしまいました。
初見の方、詳細を知りたい方はコチラへどうぞ → http://cysmakky.exblog.jp/17382733

d0284766_1501343.jpg


レトロスペクティブ東方-雅-
 第32話「破戒」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm23634217


※動画のネタバレを多大に含みます。
下記をお読みになる前に是非動画をご鑑賞ください。

1部を見直したい方はコチラから


2部を見直したい方はコチラから




前回までのあらすじ
終着の地、白玉楼へと到達した史規達。
門前にて「四季様」、「小町」と呼ばれる二人組とすれ違うが、まるで霊夢を牽制しているかのようで・・・。
屋敷内で白玉楼の主、西行寺幽々子と邂逅。
食事を取り、一時の安堵に落ち着くも幽々子の突拍子のない一言に場は一転する・・・。
d0284766_1515660.jpg





目次(読みたい項目をクリックしてください)
 1.あらすじ
 2.キャラクター a.博麗霊夢
 3.キャラクター b.霧雨魔理沙
 4.キャラクター c.西行寺幽々子
 5.キャラクター d.史規
 6.キャラクター e.四季映姫
 7.雅な考察 a.白楼剣
 8.雅な考察 b.真の異変





あらすじ
d0284766_1511494.jpg
幽々子の口から告げられる「祓って見せて」の言。
和やかだったムードは一変し、霊夢達に戦慄が走る。
焦りの色を隠せない様子を察知したうえでなお、幽々子は続ける。

 -準備はもう出来ている

静かに障子を開けると、白玉楼の中庭が景色として広がる。
その中心には、まるで罪人を処するかの如く介錯の場が設けてあった。
さすがに動揺する魔理沙はいくらなんでも事が早すぎると言を遮る。
しかし、幽々子こそ動じない。
d0284766_1534081.jpg

 -こうするしか他に方法はないのか?

魔理沙は問う。
その問いは皮肉にも白玉楼に辿りつく直前の史規と同じもの。
決心はできていたハズなのに・・・。まだ迷いがどこかにあったのか。
幽々子は戸惑う魔理沙に強い視線で語り続ける。
d0284766_220375.jpg
「還す側」である白玉楼の主が語る、「還さない側」への誠意。
ここまで来たからこそ、「還す」ために成す事を成すのが筋ではないのかと。
幽々子の弁になんら的外れなことはなく、魔理沙はただ沈黙してしまう。
妖夢に歩み寄り、その帯刀する二本の内の片割れを優雅に抜刀する幽々子。
その脇差を魔理沙に手渡し、これをもって史規を「祓え」と促す。
唯一の「還す」手段に反抗するかのように魔理沙は震える手でもって刀を振り払ってしまう。
d0284766_2214877.jpg

 -いつもみたいじゃいけないのかよ?

魔理沙の哀れみに満ちた静かな怒りは悲痛な叫びとなって屋敷内を木霊する。
何度も救われた魔理沙の笑顔はすでになく、このときばかりは面影を失っていた。
どうしてもできない魔理沙に代わり、その務めを霊夢へと託す。
無言のまま意を汲み取り、刀を手にする霊夢。


d0284766_2231972.jpg

場所を移し、介錯の場のある庭へ。
史規もその覚悟と決意が定まったのか、かつての迷いはすでになく。
真摯にこれから起こるであろう事態を受け止める。
彼がここまで決心ができたのも、彼女らから「心の在り方」を見つけさせてくれたから。
目を閉じ、介錯の最期の瞬間。彼は霊夢の姿をその眼に映す。
どこか冷たく頑なな表情に、巫女としての強かさを感じられるが・・・。
d0284766_2235018.jpg
d0284766_22467.jpg
d0284766_2242811.jpg
しばしの沈黙のあと、ようやく口にした霊夢からの「助けて」という願い。
かつてした彼女との二つ目の約束はまさにこの瞬間を指し、同時に果たす時が来た。
博麗の巫女として振舞ってきた彼女も、博麗霊夢という一人の少女。
史規のいう「約束を破りたくなかった」という言が彼女の偽りの壁を崩させる。
どうして自分を信じることができるのか。
どうしてここまで来ることができたのか。
答えは単純・・・

 -君が好きだから

自身の最期だからこそストレートに真意を告げる史規。
どこか顔を、その姿のように染め一筋の涙を零す霊夢。
言葉を受け持っていた刀は地に突き刺さる。
まるで二人の迷いをそこで別つかのように。
d0284766_2253485.jpg
しかし霊夢の取った判断こそ、そして行動こそ、此度の真の異変の合図。
それは異変を守護者自らが紡ぎ、幻想郷のルールを破戒するということ。
白玉楼の地は終着ではなく、幕開けのための始発地点であった・・・。
d0284766_2261446.jpg
d0284766_2263579.jpg
d0284766_2295426.jpg
d0284766_2265396.jpg



前回の「幽々子」に続き、物語の核心部分、特に「異変とはなにか」が明確にされた重要な回。異変の幕開けと共に史規を中心とした人物との絡み合い、心象の度合いなども如実に露呈された。第3部がはじまってからの新事実は勿論、第1部ですでにはられていた伏線もいくつか回収されていたので、改めて1~10話を見直してくるのも一興だろう。
今回も徹底して「静」の回。終盤では「異変の開幕」といった形で「動」へと転移するが、それは次回へと受け継がれる。全体の9割は非常に静かなまま、しかし確実に進行する。注目すべきはその音。史規が覚悟を決めた際に流れたBGMは、かつて2部クライマックスで流れた「想望」。もはや史規の心が定まったときのテーマともいえる。どちらの描写も、これから史規の魂が消えるかもしれないという予感を出しつつも史規自身の表情はどこか落ち着いた顔つきであるからだ。そこには彼の悩みはなく、真っ直ぐ歩んできた結果のみが映る。彼が想い、望んだ形がそこにあると同時に、彼に関与した幻想郷の少女たちに対して慕い仰ぐシーンだからこそ・・・。これほどマッチした選曲はないだろう。



キャラクター
博麗霊夢
d0284766_2272998.jpg
ここにきてメインヒロインっぷりをぶっちぎりでアピールしていく。史規が彼女を信頼してここまでやってこれたのも、至極簡単に至極単純に「好き(LOVE)」という想いに実直であったため。「自分がかえるために」から、いつしか最優先は「彼女のために」へと自然とかわっていったのも、今ある「生」の証明ともいえるか。実は6話にて、旅立ちの森林で史規は彼女から「素直になれ」と云われた際に、この抱えている心境を打ち明かそうとしていたのだが、アリスらの妨害にあったシーンがある。これについてまとめ①でもすでに補完しており、私の予想は的中という形となった。
霊夢の反応を見る限り、史規の片想いというわけでもなく、まんざらでもなさそう。ここまで史規に加担できたのも実は霊夢も彼に多少なりとも好意を寄せているのかも?
彼の本心ばかりはさすがの彼女も勘が働かなかったようだ。にぶちん。



霧雨魔理沙
d0284766_228117.jpg
いつも笑顔で天真爛漫な彼女も、今回はじめて哀しい表情を見せる。元々この異変への参加は「霊夢を助力するため」、「ほんの興味本位」、「善行(異変を経て入手できる何か)を得るため」という彼女なりに「いつもどおり」という思惑だったのだが、今回に限ってはそうではなかったことによる事実を噛み締め戸惑う。いつもの勝気な性格が出せず、弱い自分を見せてしまうほどにこれだけ己を曝け出すということは、彼女もまた「史規のため」という原動力が大きくなった証明といえる。そのへんの感情の変動はすでに霊夢の勘では察していたようで、前もって「仲良くならないで」と釘を刺していたのもうなづける。魔理沙にこんな顔をさせるなんて史規も罪な奴だよ!



西行寺幽々子
d0284766_2283568.jpg
今回の異変を暗躍する一人。これを成すことで何を果たそうとしているのか、その真意は計り知れないが題名のとおり「幻想郷のルールを改変」することが狙いか。この画策はリスクがある反面、それを覆すリターンも生まれる諸刃の剣なのだろう。リスクに比があれば、そもそも紫や是非曲直庁らが彼女の行動をすでに止めていたに違いないからだ。白玉楼へ訪問した際もこのことについて談義を行っていた様子がすでに描かれている。妖夢自身はあまりお気に召していないようだが・・・。



史規
d0284766_2291052.jpg
霊夢から白玉楼到達前にいわれた「余計なもの」、射命丸から指摘された「未練」、紫のいう「スキマ」はおそらく総じて彼の持つ恋慕の感情を指していたと予想。今の自分を「生かす」ためには、還りたくない。しかし歩みを「往かす」ためには、還らなければならない。彼女のためならば自分を「活かす」ようにしなければならない。迷いがあればただ無として「逝かす」ことになる。いかに彼が異化した存在とはいえ、目的はひとつ。ただ、終わらせるために「行く」。史規という名前はいわば「真っ直ぐに道のりを踏み歩み続ける」意志を貫く象徴であるかのよう。だからこそ彼の魂は何度も変わろうとせず、誰とも代わろうともせず、顧みず還ろうとあり続けるのか。
彼が霊夢へ恋色に咲いたのは随分前から、というか一目惚れに近い衝動だったんじゃないかと思う。2話の博麗神社にて行水姿を垣間見たときの慌てふためきようがそれ。男だったら誰だって好きな女の子の裸に近い姿を目撃したらドキっとしてしまう。彼がこれまでのさまざまな少女と邂逅し、その魅力に目移りしなかったのもただただ霊夢一人を想っていたからにすぎない。その想いはレミリアの魅了を持ってしても太刀打ちできなったといえる。先日の考察において、彼岸花の花言葉に触れたが、この中の「想うはあなた一人」がまさにドンピシャだったであると今にして実感する。



四季映姫
d0284766_2293447.jpg
彼女もこの異変を暗躍する一人。というか傍観者側。中立を保ち続けながらも、多勢力に託を行ってきていたのはこの異変の末路が最悪にも最良にも繋がるという完全な黒と白の世界だからだ。彼女の固有する「白黒はっきりつける程度の能力」の一環ともいえる。幽々子の企てにあえて否定しないのは、「白になった場合(成功)」のメリットが是非曲直庁を通じて幻想郷全体に有意義なことが起きる予兆を指し示す。かといって賛同しないのは「黒になった場合(失敗)」のリスクもそれだけ大きいから。おそらく今回の異変をもっともよくわかっている人物。同時に周りからは理解されない人物でもある。それにしてもこの映姫様の顔つきいいですね、凛々しくも美しくて可愛くて。アイシャドーしてるのかな・・・。




雅な考察
白楼剣
d0284766_2305944.jpg

はくろうけん。妖夢の帯刀する二本のうち短いほう。ちなみに片割れの長い刀は楼観剣(ろうかんけん)という。
「迷いを断ち斬ることが出来る短剣」と云われ、「一振りで幽霊10匹分の殺傷力を持つ長刀」である楼観剣が戦闘向きなのに対し、儀式的な剣である。このことから楼観剣が「物質」に対しての直接的な威力を発揮するならば、白楼剣は「概念」といった無形物に対して効果を発揮するといえる。肉体を斬らず、魂のみを斬る、みたいな。幽々子がこれをもって史規を「祓え」といったのもそれが狙いである。
さて、なら妖夢自身が行わなかったのは何故か。妖夢はすでに中有の道にて史規と接触しており、二人だけでいた時間は何度かあった。にも関わらず、その一切は手出ししなかった。勿論妖夢の本心ではないというのもあるのだが、これこそが幽々子の企てである。白玉楼内にて妖夢にあえてさせず、魔理沙や霊夢を通して「祓いの儀」を執り行おうとしたのはそのため。
d0284766_2415899.jpg
介錯の場を予め設けることで、ここまで辿り着いた「還す側」である彼女らに抵抗心を無意識に植えつけさせることが本当の狙いだ。これまでの「還さない側」の代弁者として立ったのも、その揺さぶりのひとつに過ぎない。実際に白楼剣を使えば史規の魂を祓うことはできるのであろうが、それだけではこの先に起こる本当の異変には繋がらない。間接的に霊夢らの意志で史規を祓うことを拒ませるように仕向けるため白楼剣は利用された。迷いを断つ剣なのに、迷いを生じるキッカケを作る要因になったというのはなんとも皮肉な話しだ。我が主ながら困惑する妖夢の表情も致し方ない。



真の異変
d0284766_2331085.jpg
まとめ①「巫女の役目」や、前回の考察から異変の概要において予想が的中。ゲームで例えれば、主人公たちがクリアできなかったあとの世界を描いたらどうなるか?という視点。本来なら「ゲームオーバー」となりリセットされて終わりってだけでなく、決して描かれないバッドエンドの先のようなもの。こういう行動を取ったからこうなったといういわばタブーに触れるような異変がここだ。魔理沙の当初の行動理念にもあったように、これまでの異変はいわば日常における異変「ごっこ」。彼女らが「弾幕ごっこ」と称して異変解決に挑むのと同じではなく、幻想郷という舞台、そして世界そのものを改変させてしまうほどの「遊び」ではない異変。それに対してどう立ち向かうか? というのが今後の展開として描かれていくのであろう。霊夢が異変解決を拒んだことにより生じた暗雲は、OP主題歌の流れるシーンであった暗雲と同じであり、このときからすでに物語のテーマはここを見据えていたのだと改めて実感できる。そのシナリオ作りにはただただ舌を巻くばかりである。



次回、第33話「霊夢」
博麗の巫女、その心情の末路はいかに

d0284766_2333511.jpg



[PR]
by makky_cys | 2014-06-15 22:00 | レトスペ雅