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Makkyのあしたっていまさ!

cysmakky.exblog.jp

てきとーにまったり。主にSTGや東方を中心としたゲーム系雑記だよ。

雅な時間 白 Vol.7 (第33話「霊夢」)

-雅と私、レトロスペクティブな時間- 第34回

Makkyです。ついに「雅な時間」通算50項目に到達!
初見の方、詳細を知りたい方はコチラへどうぞ → http://cysmakky.exblog.jp/17382733

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レトロスペクティブ東方-雅-
 第33話「霊夢」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm23693548


※動画のネタバレを多大に含みます。
下記をお読みになる前に是非動画をご鑑賞ください。

1部を見直したい方はコチラから


2部を見直したい方はコチラから




前回までのあらすじ
白玉楼の主、西行寺幽々子との邂逅。
史規を還すために整えられた介錯の場にて、彼はその内を明かす。
それは自分への決着と、霊夢へと寄せる好意の想い。
揺れる心情は博麗の巫女としての立場をも揺るがす。
異変を祓えぬ守護者に対して幻想郷も意志を揺らす。
本当の異変はこれより誕生(はじま)る・・・。
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目次(読みたい項目をクリックしてください)
 1.あらすじ
 2.キャラクター a.博麗霊夢
 3.キャラクター b.霧雨魔理沙
 4.キャラクター c.八雲紫
 5.キャラクター d.史規
 6.雅な考察 a.声の主
 7.雅な考察 b.これまでの異変
 8.雅な考察 c.永夜抄との奇妙な一致






あらすじ
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蝋燭だけで灯される小さな一室。
そこに照らされる影が3つ。
史規ら一行はここに待機していた。
結界で守られた白玉楼の外には、妖魔の群れが成す。
彼らが望むは史規という存在の拒絶と排除。
しかしお互いに迂闊な手を出せないがため、刹那的な睨み合いとなっていた。
幽々子らはその場凌ぎとして、史規らをこの一室へと先導していたのだ。
しかし長時間持つことは赦されない。
結界が決壊するその時を妖魔の群れは今か今かと待ち侘びているのだから。
臨戦態勢とはいえ、「史規という魂の消滅」という事態を避けることのできた魔理沙は束の間の安堵を零す。
一方、霊夢はいまだ俯いたままであった。
しばらくして、ようやく「いつもの調子」な感覚を取り戻していく史規達。

先の史規からの「告白」を受け、照れ隠しもあってか魔理沙に確認の言及をする霊夢。
一見して、呆れたかのように飄々と返事をする魔理沙。
「変わらない」空気を作り上げるその気遣いに、そして信頼に応えるかのように。
霊夢はついに口にする。
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彼女の率直な謝意は、その場を一転させるに十分であった。
続けて霊夢はこの部屋に史規と二人きりになりたいと要求。
「貸しだな」と冗談めいた口調でにこやかに退出する魔理沙の優しさが沁みる。

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静寂ののち、ぎこちなく史規の顔を見上げる霊夢。
博麗の巫女という守護者の立場として、どう向き合っていくか。
博麗霊夢という一人の少女として、どう受け止めていくのか。
この異変に対しての立ち位置に最も揺れる想いであったのは他ならぬ彼女であった。
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かつて彼女と交わした約束を今一度果たすとき。
この先の展開や末路など、どうなってしまうのかわからない。
だが、彼女は史規と進む。
史規もまた彼女と共に進む。
対する幻想郷は容赦はしない。
しかし、決闘に勝てさえすれば、その道を譲ってくれる。
苛烈ながら、こんなにも優しく、そして美しくも残酷な世界。
その世界を相手にしても霊夢と共にであれば、その友と共にであれば。
本当の決心がついたとき、史規に木霊するあの呼声からはもはや恐怖は消えていた。
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覚悟完了の談を済ませた霊夢にはもう迷いはない。
外で待ち構えていた妖魔の群れを前にして、自ら姿を晒し出す。
真っ直ぐだからこそ。
霊夢らの取る行動は強行一点突破。
まるでエクステンドしたかのように、「いつもの調子」で敵前線に当たる。
その瞳の輝きは希望を見据えているかのようで。
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ようやく、彼女らの「異変解決」が様となって映る。
続々と迫りくる妖魔の群れの標的はあくまでも史規自身。
霊夢と魔理沙は油断や隙もなく、徹底して彼の守護にあたる。
まさに攻撃は最大の防御といったところか。
妖魔どもも我を忘れており、今目の前にいる敵が誰であるのかさえ解かっていない。
彼らの前にいる者こそ、これまで幾度と幻想郷の異変を解決してきた少女(えいゆう)ということに。
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史規に聴こえていた恐怖の呼声はいつしか、安堵の象徴へと変わる。
そこを到達点とし、声の聴こえる方向へと彼らは進む。
霊夢の持つ「勘」もそちらを指し示し、本当の異変解決はこの地より旅立つ。
だが、そんな彼女らの目の前に現れたのは・・・。



タイトルのとおり、霊夢へスポットを当てた回。33話にしてようやく主人公(ヒロイン)の名前がタイトルというのが、なんとも奥深い。すでに2話にて「博麗の巫女」とあり、これに対となる構成となった。約束に込められた意味を果たしてここに到達するまでに読めた人はいるだろうか。相変わらず先の展開を見据えたシナリオ構成は見事。
この33話も一度、修正のための再投稿が施された回。過去に17話「魔理沙」でも再投稿がなされており、奇しくも全体を通じて霊夢と魔理沙の回が作者による見直しが図られたということがいえる。毎週日曜夜10時更新というお約束を切り捨ててまで、修正に重点を置いたというだけあっていかに作者自身がこの物語を大切にしているのかが汲み取れる。だからこそ我々視聴者もその心意気に応えていこうではないか。心意気には粋な姿勢をもって「返す」。そんな「雅」な関係を築き上げていきたい。




キャラクター
博麗霊夢
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「博麗の巫女」という立場と務めを盾にして振舞ってきたが、先の史規の意志を受けてついに霊夢としての本心が揺れる。「謂れのないことで謝られる」ことを良しとしない彼女から出た謝意の言葉は、親しき魔理沙ですら驚きの表情を浮かべたほど、滅多にないことなのだと察することができる。それだけにその意図は深く、ブレない。
史規とはその辺の価値観などが共鳴していたため、より素直になれていたのかもしれない。出会ってまだ数日間しか経っていない博麗神社での禊シーンで、濡れた身体を史規の前に晒しても何の抵抗もなかった彼女が、この夜の一室では月夜に照らされた表情がどこかはにかんでいるように見えるのも、そんな心境の変化がこの旅路であったのだろうか。変わったのは史規だけでなく、彼女にもあったといえる。


霧雨魔理沙
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霊夢と同じように、もしかしたら霊夢以上に「史規が消えてしまうかも」という事実に抵抗のあった彼女も、精一杯の笑顔でもって霊夢らを出迎える姿はあたたかく、それでいて強かだ。史規の告白が聴こえていたかどうかは不明だが、退出するときにまるで「がんばれよ!」と声をかけたかのように一押ししたり、恋模様における空気の読みっぷりには霊夢以上。さすが幻想郷一の乙女!


八雲紫
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妖魔の群れを畏れ慄かせ、その中心のスキマから堂々と出現せし姿は、ボスキャラのように雄大。少女臭大物臭を漂わせる妖怪の賢者。史規の前にハッキリと現れたのは、今回で初である。それだけに彼女の登場は物語を大きく動かすに値し、展開がまるで読めない。幽々子とは親しい仲であり、霊夢にも博麗の巫女として一目を置いている、いわば幻想郷そのものといえる存在だからこそ此度の異変には必要不可欠といえよう。彼女がどのように関与していくのか今後も大注目のキャラクターだ。


史規
前回の「破戒」で男を見せた史規。何より、彼のこの旅路における成長ぶりが素晴らしい。2部の紅魔館では自分を知る「真実」の前までは、『俺を見つけさせてくれ』と切願する姿から、名の通り迷える魂であったが、「真実」を受けて白玉楼直前まではそのことに恐怖と未練を感じていた。が、窮地に追い込まれた矢先に自分自身で「生きる」とは何か?を見出し、すでに出していた答えに向き合う勇気を伴う。まさにブレイブハート。その心の変化がこのセリフに如実に表れているのだ。史規さんカッコイイ・・・
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雅な考察
声の主
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これまで史規の脳裏に響いていた声は恐怖の対象でしかなかった。しかし、彼が答えを出したタイミングでこれは温もりに満ちた慈愛の声へと変貌する。これまでこの声の主は不明とされてきたが、今回明確に「女性」と表記されたことで、見慣れぬシルエットと合わせて完全に「東方キャラでない女性」であることが定まった。っとなれば、それは誰か?

自ずと導き出される答えが「母親」だ。

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史規はまだ「産まれて」おらず、「姓」をも所得していない。これまで「コッチヘオイデ」という声に恐怖を感じていたのは、自分が「産まれ出る」いうことは、今ある幻想郷での自分の記憶など生きた証明が消滅するという危惧を感じていたからこそ。それは「生」ではなく「死」と同じではないか?と葛藤してきた。しかし、自分の居場所ではなく、在り方を見定める。そして何よりも霊夢を信じているため、咲夜との約束を果たさんがために、それを全て受け入れた。その結果が異変を終わらすことになるのであれば、と。
この時点で、彼の生誕がはじまりであり終わり。声が白玉楼に近づくにつれ、大きくなっていったのもその先にある冥界の向こうで輪廻転生を待ち望む現世(うつせよ)の母なる声に誘われているからではと考察できる。同様にして、彼が生まれる前=胎児とするならば、この物語は「胎児の夢」という一面も見れる。3部になってからタイトル画面では水面のような描写がイメージされていた。あれが母体の中という介錯も面白いと思うのだが、いかがか。実際に東方Projectでは「胎児の夢」というスペルカードは存在し、その使用者は古明地こいしである。史規の意志と、恋の結末・・・。いや、まさかな・・・。

思い出して欲しい。本編で何度も視てきた「Next Dream...」というその言葉を。



これまでの異変
「これまでの」というのはかつてレミリアや、幽々子らが起こした「原作での異変」を指す。東方Projectでは、ご存知の通りシリーズをこなしていく度に登場キャラクターも続々と増え、その魅力ある世界観が広がっていくことが特徴的だ。異変とはいえ、殺伐とした殺し合いはなく、誰も死なないのがいわゆる「お約束」となっていた。この作品はその世界に対して真逆の価値観を描くことで、「誰かが消えてなくなった場合(しかし死ぬわけではない)」、彼女らはどう感じるのだろうか?に着目しているかに捉えることができる。
もともと「幻想入り」シリーズは、そんな幻想郷の世界に別の世界の住人が参入する定義であることに対し、端から「幻想抜け」をテーマにしたことで、幻想郷の住人がいなくなったら?という疑問を視聴者だけでなく、幻想郷の少女らにも投げかける。それを作者なりの独自解釈によりここまで描いたのだ。紐解いてみれば単純明快なことだからこそ、このシンプルな問題はどこまで大きく発展していくのか。それを今後とも見届けていきたい。
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永夜抄との奇妙な一致
21話「真実」に続く、物語のターニングポイントが今回。というより、異変においてはようやくスタート地点といえる。
本編にとっての重要回だけでなく、原作へのリスペクトもところどころに散りばめられており、特に「東方永夜抄(以下永夜抄と表記)」との接点が多い。キーワード別に羅列していこう。

①主役ペアによる射撃
霊夢と魔理沙の放った射撃は、俗に言う「マリス砲」を彷彿とさせる。
これは永夜抄で実際に使えるテクニックで、原作では魔理沙とアリスのペアでのみ再現可能な通常よりも強力な射撃の通称。これまでの異変だと基本的に霊夢と魔理沙のどちらかが話を進めるのだが、この両者がペアを組んで異変を解決しにいくというのも、それだけ相手が強大であることを示唆する。実際にペアを組んで解決に臨んだ異変はあとにも先にも永夜抄でしかない(地霊殿は遠隔サポート)。名付けるならば「レイマリ砲」といったところか。

②使用BGMの接点
このシーンのときに使われているBGMは、永夜抄のステージ1道中曲「幻視の夜」のアレンジであり、『本編の異変において実質上のステージ1』というキーワードと符号。夜が明けるに連れ、被害も大きくなっていく様子や、その夜がスタート地点である状況も似ている。

③異変における接点
永夜抄においても異変の断片である「夜が明けない」事自体は犯人を追及するために霊夢らが施した術であり、同じくして「異変を起こすのは霊夢」というキーワードでも一致。この場合、「異変を解決するためにあえて同じ異変を起こす」という目的のための手段だったため、幻想郷への影響もさほどなかったが、本編ではその目的と手段を逆転させたことで、永夜抄とはまた違った「IF」を描いているようにも思える。実際に本当のエンディングを迎えるためには、最低でも2周はプレイしなければならないため「繰り返される」こと、異変解決時にはタイムリミット制であるという縛りがあるなど、異変の性質においても非常に近しい。

④他STGにおける接点
STGに馴染みある者なら「ステージ1」、「幻視」というキーワードからも「ダライアス外伝」のBGM、「VISIONNERZ~幻視人~」が思い浮かぶだろう。「close your head、close your eyes」と脳に直接送りこまれる「呼声」や、「何が視えるだろうか? そして何が残るだろうか?」という曲に込められたテーマからも前回の考察で語った「斑鳩」のテーマとも類似。
驚くほどにこれらのキーワードは「レトロスペクティブ東方-雅-」のテーマそのものを体言しており、作者がそこまで意識しているかは不明だが、少なくともシリーズである「G-DARIUS」は作者に影響を与えた作品のひとつであると先の対談でも語っており、この作品のテーマ「君は生命(いのち)の誕生(はじまり)を見る」も史規という主人公の生き様を感じてならないなど、無意識による相乗効果は大きい。



次回、第34話「断絶」
この試練を断ち切ることができるのか。
この未練を断ち切ることができるのか。




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by makky_cys | 2014-07-04 22:00 | レトスペ雅