雅な時間 Vol.9 (第9話、10話「鬼陣 壱・弐」)
-雅と私、レトロスペクティブな時間- 第9回
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やったねマキちゃん、テンソクができるよ!
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レトロスペクティブ東方-雅-
第9話「鬼陣 壱」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19913086
第10話「鬼陣 弐」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19913326
※動画のネタバレを多大に含みます。
下記をお読みになる前に是非動画をご鑑賞ください。
第9話を再生すると、そのまま10話へと飛びます。
前編~後編構成となっておりますので必ず9話からご鑑賞ください。
見え・・・!
鋭く、そして深く突き刺さる蹴撃はまるで槍の如く。
上海人形による剣戟は、霊夢への言葉ではない尋問という名の拷問のよう。まさに人形裁判
ただ黙秘し耐え凌ぐだけの霊夢の姿をみて、史規は我に返る。
-何を燻っていたのか。
アリスの霊夢への尋問は同時に史規への尋問でもあった。
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レトロスペクティブ東方-雅-
第9話「鬼陣 壱」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19913086
第10話「鬼陣 弐」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19913326
※動画のネタバレを多大に含みます。
下記をお読みになる前に是非動画をご鑑賞ください。
第9話を再生すると、そのまま10話へと飛びます。
前編~後編構成となっておりますので必ず9話からご鑑賞ください。
第1部完結の締め括りとなる、今回の雅な時間では9~10話の2話分纏めてとなります。
どうぞお楽しみください。
あらすじ
前回において、霊夢に撃破されたチルノであったが、
あらすじ
前回において、霊夢に撃破されたチルノであったが、
負傷をしながらも意識はすでに取り戻していた。
つくづく妖精の回復速度には驚かされる。
敵対関係とあった史規から幻想郷を守る気持ちは霊夢も十分に持ち合わせている、
だから信じろと諭されるが、唐突のことで戸惑いは生じていたに違いない。
傷付いた身体では戦線に戻れないチルノは、
史規と共に霊夢vsアリスの最終決戦の行方をただ見届けることしかできなかった。
決戦はいよいよ苛烈を極めていた。
決戦はいよいよ苛烈を極めていた。
今まで垣間見たことのない霊夢の本気。
史規にとってはもちろん、
幻想郷の住人であるチルノにとってもそれは畏怖の対象に見えていたのかもしれない。
周囲を埋め尽くされる弾幕という名のカーテンは勝負を決める一手にも思えた………が!!
アリスはそれを物ともせずに回避し続ける。
まるで弾幕がアリスを避けているのかの如く、弾幕と舞踏しているかの如く。
霊夢の懐へと侵入したアリスは渾身の一撃を見舞わせる。
常に相手の実力の上を行くアリスはさしもの美しき鬼神とでもいおうか。
相手が強ければ強いほど強くなる。底知れぬ実力を見せるアリスは霊夢への揺さぶりに拍車をかける。
「まだ足りない」
この期に及んでも今だ非力な外来人を庇うのか、と。
全力を出せ!
覚悟を示せ!
上海人形による剣戟は、霊夢への言葉ではない尋問という名の拷問のよう。まさに人形裁判
ただ黙秘し耐え凌ぐだけの霊夢の姿をみて、史規は我に返る。
-何を燻っていたのか。
アリスの霊夢への尋問は同時に史規への尋問でもあった。
容赦のない幻想郷相手にいまだ容赦をしていた自分への葛藤と憤り。
そして同時に思い出す霊夢と交わした二つ目の約束。「霊夢を助ける」。
そのための覚悟をしたばかりだったじゃないか、と。自問自答する史規は考える。
非力だからできない・・・ではない。非力だからこそ自分にできる手立てはないか。
その答えを見出したとき、すでに行動は終わっていた。
その答えを見出したとき、すでに行動は終わっていた。
史規は我武者羅に上海人形へと猪武者のように飛び掛る。
何が正解かなんてどうでもいい。この判断こそが後悔のない選択であったと。
霊夢もアリスも予想だにしていなかった史規の行動は、はからずも勝負の行方を決定付けるものとなる。
霊夢もアリスも予想だにしていなかった史規の行動は、はからずも勝負の行方を決定付けるものとなる。
不意に人形を引っ張られ、バランスをわずかに崩すアリスの一瞬の隙を霊夢は見逃すはずがなかった。
先手でスペルカードを宣言する霊夢であったが、
アリスはそれを自らのスペルカード宣言によりこれを阻止。
零距離で行われるカード同士の鍔迫り合いは予測不可能であったが、
それは同時に両者の覚悟の差が勝ったものが勝利へと誘う一手へと決定付けられた。
両者の睨み合いが続く中、果たしてどのくらいの時間が生じていたであろう。
コンマ数秒という刹那な世界だったに違いない。
自身だけでなく、史規の覚悟をも受け取った霊夢はアリスのさらに上の上へ。
皮肉にもそれはアリスが霊夢を倒すためにチルノと二人で挑んだ舞台とまるで逆の結果。
決意を無駄にはしない。
二人分の覚悟を背負った霊夢は想いを爆発させたかの如く。美しい鬼神を縛るかの如く。
繰り出される奥義は---
史規の示してくれた覚悟を
私を助けてくれるという約束を
帰すという想いを
決意を無駄にはしない。
二人分の覚悟を背負った霊夢は想いを爆発させたかの如く。美しい鬼神を縛るかの如く。
繰り出される奥義は---
神技「八方鬼縛陣」
決 着
KNOCK OUT
間欠泉のように遥か上空へと昇る光の中に、アリスは飲み込まれていく。
それでもアリスは敗北後も決して人形の繰り糸を手放すことはなかった。
それは「霊夢への勝利」への拘りを最後まで諦めなかった意志の表れであったのかもしれない。
執念の鬼、美しくも儚くここに散る。
アリスに勝利した霊夢を探す史規。先ほどの覚悟が二人に信(よしみ)を通わせたのか。
アリスに勝利した霊夢を探す史規。先ほどの覚悟が二人に信(よしみ)を通わせたのか。
その心情の変化は「相棒」という呼称にも現れていた。
激闘の噴煙が晴れる中、探し当てた相棒の表情はどこか曇っていた。
同時に自身に生じる異変。
精神が肉体を凌駕していたのだろうか、その痛みと熱は遅れてやってきたのであった。
志半ばで意識の遠のく史規が想うは、自分への願望でなく、ただただ相棒への感謝の気持ち。
そして謝罪。二重の意味で相手へわびる姿勢はある種、「史規」を形容する彼なりの生き様。
それは最後まで貫いたということ。
-約束したのに。
-大変な思いをかけてしまってすまなかった。
「霊夢を助ける」という約束は果たした。しかしもう一方は・・・。
状態からしてそれはもはや絶望的であったに違いない。
-約束したのに。
-大変な思いをかけてしまってすまなかった。
「霊夢を助ける」という約束は果たした。しかしもう一方は・・・。
状態からしてそれはもはや絶望的であったに違いない。
しかし言葉には決して出さなかったのが、彼なりの意地だったのであろう。
口にしてしまったらそれこそ約束を破ることになってしまう。だからせめて。
ここまで繋いでくれた道のりに感謝の気持ちを表したのか。
意識を失った史規。突きつけられる現実に霊夢ははじめて自分自身への決断を悔いる。
意識を失った史規。突きつけられる現実に霊夢ははじめて自分自身への決断を悔いる。
そもそも幻想抜けは無謀な挑戦であった。それは俄かにも解っていたこと。
解ってはいたのに、判っていなかったことへの戸惑い。だからせめて。
史規は最後まで約束を守ろうとしてくれた。ならば今度は自分が守る番だと。
そして……
そして……
ここまでの結末をまるで傍観していたかのように現れる黒き翼の少女---。
射命丸 文
今まで全ての異変に「自分が気に入らないから」というだけで向き合ってきた霊夢にとって、
味わったことのない感情の揺れとざわつき。「誰かのために」。
アリスの伝えたかった「本気になれ」とはこういうことだったのかもしれない。
言葉を噛締め形容できぬ声無き声が虚しく吐露される。
-彼を生かしたい。
普段の霊夢であれば、こんな顔なんて他人に見せるはずがない。
-彼を生かしたい。
普段の霊夢であれば、こんな顔なんて他人に見せるはずがない。
それを踏まえた上で、なお願う素直な気持ち。
一部始終を眺めていたチルノも、先に史規から「信じろ」と諭されていたことを思い出していた。
自分なりに理解し、戸惑いは確信へと変わる。「霊夢達は悪者じゃない」。
先刻まで敵対していたにも関わらず。
躊躇わずに史規を救出するために氷漬けで止血するチルノもまた、言葉でなく行動で意志を貫いたのであった。
ED主題歌「Call Me」の冒頭歌詞に
♪繰り返し繰り返す、音の中
♪振り返る、省みた、足跡を
♪それぞれ違う色。それぞれ
とある。これを1部に照らし合わせてみると、以下のように絡み合う。
霊夢は
幻想抜けという異変に改めて自分の立場、そして認識を見つめ直すこととなる。
そして無事に自分の隣に史規が“返る”ことを切に願う。
アリスは
勝負にこそ負けたアリスであったが、悔いはなかったであろう。
霊夢の心情を“変える”こと。それは元からアリスの願っていたこと。
本気でぶつかり合った末の結果に少しは報われたであろうか。
チルノは
幻想郷を守る一途な想い。
そんな願いを叶えるため、一度は「帰さない側」へと立ったが霊夢達の真意を理解して学ぶ。
それは己の立場を結果的に“替える”ことへと繋がった。
そして史規は
決意は揺るがない。
光の嵐の只中で、誰よりも艶やかなその舞姿と共に。
ただ、“帰る”ことを願う
1話冒頭から「帰る」というキーワードは繰り返し、テーマとして主張されてきた。
ED主題歌「Call Me」の冒頭歌詞に
♪繰り返し繰り返す、音の中
♪振り返る、省みた、足跡を
♪それぞれ違う色。それぞれ
とある。これを1部に照らし合わせてみると、以下のように絡み合う。
霊夢は
幻想抜けという異変に改めて自分の立場、そして認識を見つめ直すこととなる。
そして無事に自分の隣に史規が“返る”ことを切に願う。
アリスは
勝負にこそ負けたアリスであったが、悔いはなかったであろう。
霊夢の心情を“変える”こと。それは元からアリスの願っていたこと。
本気でぶつかり合った末の結果に少しは報われたであろうか。
チルノは
幻想郷を守る一途な想い。
そんな願いを叶えるため、一度は「帰さない側」へと立ったが霊夢達の真意を理解して学ぶ。
それは己の立場を結果的に“替える”ことへと繋がった。
そして史規は
決意は揺るがない。
光の嵐の只中で、誰よりも艶やかなその舞姿と共に。
ただ、“帰る”ことを願う
1話冒頭から「帰る」というキーワードは繰り返し、テーマとして主張されてきた。
音に切り替えれば「かえる」。
ここまで歩んできた道のりを振り返ってみると、「かえる」という意味はそれぞれ違う色をしていた。
という解釈に至る。音と映像のフィーリングが素晴らしい作品ではあったが、歌詞まで合わせてくるとは本当に凄い。
赤く冷たくなった重症の史規を抱え、射命丸の向かうは紅魔館。
朱に染まる幻想郷を見つめ、何を思い、何を感じるのか。
紅い幼き悪魔の用意する「運命」とは如何に。
第1部 完
by makky_cys
| 2013-02-01 03:33
| レトスペ雅