雅な時間 Another④ (応援イラスト作成工程 Ⅱ)
Makkyです。
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前回の応援イラスト作成工程記事はコチラ
閑話休題。
これまで手掛けてきたレトスペ応援イラストをまとめてご紹介。
今回は1部~2部までのイメージイラストを抜粋していきます。
霊夢 vs アリス&チルノ
第1部ではやはりアリスとの戦闘からはじまり、決着までの道筋というのが非常に印象的。
この紅と蒼の対峙っていうのは格ゲーでいうとこの 「1P vs 2P」 みたいな感じだったので、
わかりやすい構図にしてみました。
もうひとつの課題として、主要キャラクター集合イラストには入れることのできなかったチルノの追加。
アリスと同じくカラーテーマが青という符号は構図に取り入れやすく、
むしろ入れるのはここしかないと判断しました。
キャラクターの大体の立ち位置とテーマのコンセプトが決まったことで、線のペン入れ。
ここから完成絵に向け、着色、手直しを続けていきます。
霊夢といえばお札、アリスといえば上海、チルノといえば氷柱ということで、
ここからはキャラクターを代表するオプション類の付け加え。
1枚の絵なんですけど、もともとアリスと霊夢はそれぞれ別々に描き、
のちに2枚を結合させて1枚にしました。
なので中心を境目に露骨な空白があるのはそのためですw
ここまできて完全に方向性が定まったので、いよいよ着色に入っていきます。
基調となる色をベタ。
さらなる「らしさ」を取り入れていくために、「レトスペならでは」の要素も付け足していきます。
おっぱいのサイズを初期段階より大きくしたり、アリスの悪顔、黒スト、そして赤さん。
その後エフェクトやら、背景、衣類や表情のディテールに拘り仕上げへ。
東方でアリスっていえば、魔法使いってイメージが強いけども、
レトスペでは、あえて「人形師」って表現していたのが衝撃的で。
「人形師」という言葉の持つ、不気味さやミステリアスな感じが当時はとても好印象だったんですよね。
アリスってこういう一面も持ってるのかーっていう謎めいた説得力。魅力。
わかってるんだけど、「アリス……一体何者なんだ……」っていう登場までの”引き”が、
ものすごい存在感を醸し出していて。
ボスとしてドバーンって出てきたときはマジで震えました。
今尚、霊夢のライバルといっても差し支えないって気にさせてくれるキャラクターのひとりです。
何よりアリスは「美しい」。
その妖艶な美しさに挑戦するってのもありましたが……うまく描けていたでしょうか?
霊夢&魔理沙 vs 咲夜
2部では紅魔館組は一人ずつ描くと決めていました。
一発目となったのはやはり咲夜。
ボムの撃てない状況で霊夢と魔理沙2人がかりで挑むというかなり異例な構図と、
さらに限られた時間内で突破しなければならないという逆縛りな対決。
ちょうど原作でも東方輝針城がリリースされた矢先だったので、
奇しくも主役三人組という縮図はみていてニヤニヤしましたね!
そして2部では新たな魅力を散々見せ付けてくれた咲夜という第二のヒロイン。
そんな彼女たちの戦いを、準主役の魔理沙視点で描かれる。
雲海をテーマにしたので、背景はすぐ定まりました。
vsアリスのイラストを格ゲー寄りにしたのに対して、こちらは縦シュー寄りの構図を意識。
東方主役2人を同時に相手するっていう咲夜の”ヤバさ”をどう絵にするか? という解答に、
夥しい数のナイフ量で表現してみました。
前回の霊夢のお札で大量にあるオプションにはほとほとシンドイ目にあったのにまたやる式。
咲夜が遠方にいるので、どうにか表情だけでもみせられるようにできないか?
って考えたらペルソナシリーズの「カッ!」からヒントを得て、
あースペルカード発動カットインで目元だけ映せばそれっぽい!って気付き挿入。
ついでに「時を止めているときの赤眼」を組み込むことができました。
これによりさらに咲夜の”ヤバさ”を伝えられるようになってホクホク。
ナイフの量増えすぎてない?w いいんだよ霊夢魔理沙相手にしてんだからこれくらいでよ!
反転させてコピーしてるだけなので実際の手間隙は半分で済んでます。
主にナイフのシンドイペン入れが終わったので着色作業。
ここにきて自分としてはやってはいけない過ちに気付いたので、修正します。
魔理沙の衣装が違う!
紆余曲折あって、完成。タイトルは「衝突」。
魔理沙のリボンの位置間違ってました(戒め)。
後姿の霊夢や魔理沙の表情もなんか表現できないかな?
って考えてたら、閃きの発想でナイフに映った反射でうっすら表現することができました。
背景そのものはちょっと手抜きしました。
ち、違う!サボれるところはサボっていいっていう作業における効率さ優先ってやつですよ!
魔理沙 vs 美鈴
紅魔館二人目は、門番こと美鈴にスポットを。
これもチルノと同じくして、集合イラストに入れられなかった彼女もまた、
絶対どっかしらで描くと決めていた案件です。
同時に「作中の描写になかったシーン」の具現化に挑戦したものとなります。
咲夜のイラストでは色々あって背景に力抜いたんですが、
結果的にこのイラストは背景に力を入れる形となりました。
入れざるを得なかったという流れです。
紅蓮のあと、魔理沙と美鈴が繰り広げたであろう対決シーンを想像しての一枚。
その後、夜明けを迎えてから、レミリアのもとにかけつけた美鈴の状態から、
「魔理沙と互角で張り合い続けた」という結果を受け取り、
きっとこんな感じだったのだろうなーっていう想像。
とにかく「深夜の紅魔館野外で行われた」感を出すよう意識しました。
これまではキャラクターを描いたあと、着色の段階で背景をイメージしていくという形でしたが、
完全に背景は背景として個別の製作にかかり、最終的にドッキングするというスタイルです。
紅魔館のデザインはMMDでよくみるやつと、緋想天背景から参考にしています。
守った条件は「赤い外壁であること」、「夜であること(夜明け近く)」、
また、魔理沙と美鈴は飛んで戦ってるだろうから、
ふたりの浮遊感を伝えるべく「上空からの視点であること」。
この3つは最低限保つよう心がけました。
イラストの方針とキャラクターのポーズがある程度決まったところで、ペン入れ開始です。
状況をより鮮明にするため、
魔理沙と美鈴とは別にそれぞれのペアの心境や状況をカットイン形式で挿入。
この段階で完全に方針が定まったので、着色開始していきます。
その時計の針でおおまかな時間帯を表現できるのでは? と閃いて追加実装。
レミリアと霊夢の決着がつく前の時間帯、夜だけど夜明けも近い早朝寄りの時間帯を想定し、
夜中の3時過ぎ~5時前くらいに設定。
深夜3時って、tokatiさんと普段雑談してるときの目安なんですよね。
私たちからすると実は馴染みの深い時間帯だったりします(笑)
キャラクターと背景のイメージがだいぶできあがったので、完成に向かっていきます。
一番右端の正面に窓ないですよね。
これはキャラクターと被さったときに完全に見えなくなるポイントなので、
わざわざ律儀に描かなくてもいいやーこれーってわかってたから個別に塗らなかったんです。
そのほか、キャラクターの表情には特に注力し、最終的にエフェクトをつけて調節します。
かなり渾身の出来栄えに! タイトルは「防衛」。
美鈴にとっても、魔理沙にとっても相方を守るために立ちまわったのでそんなタイトルにしました。
「守護」もいいかなーって思ったけど、それだとなんか仰々しいので。
美鈴は虹色を、魔理沙は流星を思わせるようなエフェクトをつけたことで、
結果的に見た目も絢爛な感じになりました。この2人の弾幕、原作でもだいぶ綺麗ですものね。
霊夢と咲夜の表情も個人的によくできたと満足してます。
パチュリー&霊夢 vs レミリア
紅魔館最後を飾るのはやはりレミリア、そしてパチュリー。
牙城が凄すぎたので、とにかくこっちも派手にやったろうじゃないか!
と意気込んでのぞみました。
1シーンの切り取りだけでなく、
「紅魔館編そのものをどこまで表すことができるか?」にスポットを当てて、
単なる霊夢vsレミリアって絵で終わらせない構成に初期段階から決めています。
背景、キャラクターだけでなく回想というまさかの3構成を結合させるという工程を踏むことになります。
「防衛」と同時進行だったので、意図して同じようなキャラの立ち位置にしています。
霊夢サイド、魔理沙サイドって感じ。て、手抜きちゃうよ!
テーマそのものに「壊れた時計」を追加。
これは、咲夜のプライベートスクエアや、
紅魔館組の繰り返しを止めるっていう二重の意味を込めています。
現実側のキャラクターと、回想側のキャラクターのどちらにもかかるようにするため。
描くべきものがあらかた決まったので、ここから着色です。
史規の手記や、咲夜の憂い涙をどうやったらこのエフェクトの中で、
ボンヤリを保ちつつ目立たせることができるか?っていうワケわからん表現に納得行くまで調節。
最終的に白い輪郭にするとおぼろげながらも際立たせることができたので、
結果オーライとなりましたが……。
透明度や、色彩の明暗いじってる時間かかりすぎ問題。
苦労の末できたのがコチラ、タイトルは「贖罪」。
こんだけ時間かかったことにたいして(二重の意味)←
レミリアと咲夜のあれこれを考えると自然とこの言葉がでてきました。
時計に絡みついた鎖はレミリアの運命「ミゼラブルフェイト」をモチーフにしています。
主従関係の時を止めていたのはお互いにあったんだよってことと、
それらが決壊したことでまた彼女たちは動きはじめるっていう示唆。
たった一枚の絵に色んな意味を込めることの難しさをほとほと痛感いたしました。
っというわけで、イラスト紹介のコーナーでした。
作品を知れば知るほどこのイラストの意味もおそらく伝わってくれるはずです。
では、また次回。今度は3部のイラスト紹介でお会いしましょう。
Next Dream......
by makky_cys
| 2019-03-24 22:00
| レトスペ雅